よく晴れて、さわやかな春の日が続いています。
この時期は、さまざまな植物が花を咲かせています。 ある歌に、「一つとして同じものはないから」とあります。 同じように咲いている花もよく見ると一つひとつ違っています。


合氣道でも同じではないでしょうか。
「まねぶ」という言葉があります。 「学ぶ」とは「真似る」ことであり、技を真似て学ぶことを言います。 さて、では、本当に技を真似ることはできるのでしょうか。


これは無理だと思います。
では、何のために合氣道の稽古をするんだと思われるでしょう。 無理なのは、技をそっくりそのまま真似ることです。 これは、人それぞれ違うこと、また、相手が毎回違うことによります。 合氣道は人と人とが織りなすものです。 当然、一人ひとりの体格が違い、身体の動かし方が違いと、違ってきます。 また、同じ相手でも毎回同じように動くわけではありません。 ですから、そっくりそのまま真似ることは無理なんです。


では、何を「まねぶ」のでしょうか。
単に動きをトレースすることではないことがわかると思います。 一つひとつの技の動きに共通するものを見い出し、自分のものにしていくことが合氣道での「まねぶ」 ではないかと思います。
それが「一つとして同じものがない」合氣道へとつながると思います。